SNSについては、このメルマガでも、時々、エコチェンバー現象などの話題について、取り上げています。
6月22日に東京都議会議員選挙が実施され、7月20日(3連休の中日)には、参議院選挙が行われます。昨年は、SNS選挙とも呼ぶべき現象が顕著であった東京都知事選挙、衆議院選挙、兵庫県知事選挙などが大変話題となり、様々な問題が指摘されました。世界においては、日本以上にそうした選挙とSNSを巡る情勢が難しくなり、大きな影響を与えています。
このメルマガで紹介したように、6月からYou Tube動画を始めました。これは、たまたまそうしたことに取り組むと、経済やマーケットなどのやや難しい話が、頭のなかに入りやすくなるというプラスのメリットがあるので、文書コミュニケーションを補うのにはいいメディアとのサジェストをいただきました。
そういうこともあり、私自身思いきって取り組んでみました。会社Instagramも今年はじめました。
今回YouTube動画を始めるに際して、iPadや照明やPC台座などを購入するなど、準備を少ししました。
YouTube動画の収録については、極力編集作業は最小限にしたいということで、基本オンライン画像をそのまま収録することで進めていますが、動画をみると、私が下を向いて話していることが多いことや、顔がけっこう揺れていることなど、世の中のプロフェッショナルレベルから見ると、まだまだ不十分だと痛感しています。
今後、徐々にレベルアップをしたいと思っていますので、皆さま継続的にお付き合いいただければと思います。
私自身、こうしたSNSを駆使できないこともあり、少し勉強してみました。
高橋暁子著『若者はLINEに「。(まる)」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社+α新書;2025年6月)です。その中で、SNSに必要な三つの力は、文書力、読解力、コミュニケーション力と言っています。
3番目のコミュニケーション力が特に重要と著者は力説していて、その背景は、「コミュニケーションは、言っている言葉以外に、笑顔や身振り手振りなどの視覚情報、笑い声や明るい声などの聴覚情報を使って行われます。」(同書20頁)ということで、文書だけのコミュニケーションの限界を踏まえて、ビジュアルコミュニケーションの重要性を唱えています。
シニアの方は、私を含めてインターネットメールや携帯メッセージ、LINEなどは十二分に活用していると思いますが、まだまだ既存の伝統的なマスメディアに依存していて、X、You Tube、Instagram、TikTokなどには抵抗感がある方も多いのではないでしょうか。
こうしたSNSを駆使することについて、今さら感ある方も多いと思いますが、今後は少し距離を縮めることも必要でしょう。必要以上にSNSに翻弄されることは本末転倒ですが、SNSとどう付き合っていくか、そろそろ必要な時代になったと痛感する次第です。
なお、本書籍の表題となっているLINE「。」をつけない若者との話、紹介しておきます。本書では、「LINEなどのやり取りで、大人世代は当たり前に句読点を使います。ところが、若者に送るLINEに句点があると威圧感を与える、つまり、「マルハラスメント(マルハラ)だというのです。」(同書119頁)とあり、実際に同書に記載の調査では、「「あまり気にしたことがない」が最多だった一方で、・・・ネガティブにとらえてしまうという方も18.6%と二割弱いることがわかりました。」(同書120頁)とのことで、世代間コミュニケーションの難しさが示されています。
私自身は、この点はややセンシティブすぎる感は否めないと思うのですが、こうしたこともあるということで、「もやもや」することが多くなることが増えていることとして頷けるところです。
SNSが社会に与える影響を考えていくことについて参考になる新書2冊を、紹介しておきます。
津田正太郎著『ネットはなぜいつも揉めているのか』(ちくまプライマリー新書;2024年3月)で、社会メディア学者がとらえたソーシャルメディアの特徴と問題点について、論点を整理しているものです。また、朝日新聞取材班著『「言った者勝ち」社会』(朝日新書;2025年6月)で、SNSが政治の状況や選挙にどういう影響を与え、今後の政治へのインパクトを足元の最新の状況を踏まえた内容で、参考になります。
このあたりのSNSの話題、また本エッセイで取り上げていきたいと思います。
是非、皆さんから、本エッセイ含めて、ご意見をお寄せください。
2025年6月29日 記(東京も梅雨明けになりそうです) イノベーション・インテリジェンス研究所 幸田博人)