興銀の先輩の幸田さんからのご紹介で今回は60年生き続けてきた雑感、エッセイを書かせていただく機会をいただきました。
国家も会社も組織も人間も輝いて栄枯盛衰は必須ですが、その中でどうやって両親、祖先からもらった貴重な短い人生を過ごしていけるか、少しでも参考になればと思います。
自分は1970年代を父親の転勤に伴い英国で過ごしておりました。
かつては、大英帝国という栄華を誇った英国も英国病という深刻な病状に感謝していて、公共機関やゴミ収集など毎日ストライキで、英国人は世界のリーダーシップをアメリカや緊張国ながら驚異的な経済発展を優先していた西ドイツや日本に譲れるようになりました。
しかし、サッチャー首相の登場とともに息を吹き返して、ウインブルドン現象と揶揄されながらも外国金融機関も積極的に受け入れて、ビッグバンを通してロンドン中心に世界の金融の中心として復活しました。
オックスブリッジに代表される教育の水準の高さは、世界に向けて輸出産業で英国の英国たる所である。
またサッカー中心にプレミアムリーグを中心にゴルフの全英オープン、ウインブルドンなど世界4大イベントが開催されているのも魅力です。
一方のアメリカは、1990年代に興銀の派遣学生としてMBAをIVYリーグという東部名門校で取得できたことも幸運でした。
当時は製造業衰退で、パックスアメリカーナで栄華を極めたあと衰退の方向に向かい、アメリカも悩める大国でした。
マイクロソフトが起業したばかりで、GoogleもAmazonもまだ生まれていませんでした。
そうこうしているうちに日本の就職人気でも最難関と言われた興銀も、蓋外側と規制環境が変わり、ちょうど創業100年でみずほグループの形を変えました。
当時ちょうどいた若手は楽天創業に三木谷氏を筆頭に各界で活躍しており、所属する組織の栄枯盛衰と、世界を舞台に活躍する人材であるということは、別に考えてほうがいいのかなとも感じています。
また自分が15年務めたゴールドマンサックスも、創業150年幾多の試練を乗り越えて逞しく生き延びているのを見ると、やはり人材を大事にしているからなのかなと思います。
現在10年挑戦し続けているヘルスケアベンチャーFiNCも幾多の試練を乗り越えていますが、最後はやはり若くて働いていて優秀なエンジニアや営業、プロダクトの従業員があってこそ生き延びているわけであり、環境や外部課題のせいにせず、とりあえずより良い明日に向けて努力し続けることが大事なんだなと思っている次第です。
日本も忘れた30年などと下を向かずに、チャレンジし続けること、プロフェショナリズムで取り組むことで、皆でより良い方向に向かって進めば、こんなに嬉しいことはないと信じて、雑感エッセイとさせていただきます。
(2025年4月21日 記 株式会社 FiNC Technologies 代表取締役 小泉泰郎)