私の身近な方、お二方が書籍を発刊されました。お一人が、川北英隆氏(京都大学名誉教授)の「個別株の教科書」(ディスカヴァー・トゥエンティワン;定価1870円)、もう一方が、大垣尚司氏(青山学院大学教授)の「生きづらい時代のキャリアデザインの教科書」(日本経済新聞出版;定価1800円+税)です。
お二方とも民間金融機関から大学に転身し、現在も大学中心の生活環境に身をおいている方です。
ご縁があり、私はお二方とも親しくさせていただいていますが、キャリアとお金の話を自分自身の経験を率直に重ねあわせて語っていて、どこか共通点を感じさせる書籍です。


もちろん川北氏は、株の長期保有や企業の見極め方など資産運用系テーマであり、大垣氏は人生全般やキャリアを考える視点で全般的な人生論が題材です。
大垣氏のキャリアデザインの提案には、「幸せの尺度をお金から時間へ」(297-307頁)ということで、新しいロールモデルが感じられ、また川北氏の書籍では、個別株と個人の付き合い方が人生を有意義にするヒントがちりばめられていて、特に「おわりに」(249-258頁)は、私自身大変興味深く読みました。
例えば、「成長する企業とは、結局のところ社会に役立つことをしている企業である。・・・素晴らしい企業に1票を入れることは、社会に貢献することでもある。」(257-258頁)などは、株式を通じた社会への参加が有意義であることを示唆していると思いました。
今の時代は、昔のように“型のはまったパターン”に従っていけば、それなりに人生を過ごせた時代とは違うと思います。
先のキャリアを時々きちんと自分で考えていくためには、自分自身でそれまでを振りかえりつつ、将来を考えていくことが大事です。
それを、自分自身の思い込みではなく、様々な方の経験から「学ぶ」とともに、周りの方々と自由な会話ができることが必要です。難しい社会環境ですが、様々な外部のネットワークこそが特に価値が高い時代になってきています。
様々なつながりを大事にしていければと思います。
メルマガ配信が、皆様にとって何かヒントになればと思いつつ、今後も「金融・資本市場」を取り巻く変化や兆候について、様々な発信を「金融・資本市場リサーチ」やその他の媒体(書籍など)を通じて行っていきたいと思います。
是非、皆様からもご関心の向きについては色々とご教示いただければと存じます。ありがとうございました。
(執筆者:2024年9月16日 記 イノベーション・インテリジェンス研究所 代表 幸田博人)